「知的財産権」このツボをおさえよう
(第6回)知的財産権の国際的な保護

 TPPで交渉の対象になっている知的財産権というのは著作権のことです。
 著作権をこれまでよりずっと長く保護するということと、著作権の侵害をもっと厳しく取り締まろうということを、TPPで話し合おうとしています。
 特許や商標なども知的財産権です。これらの制度も、国境を越えて様々な利害が生じます。そのため、国際条約で制度のすりあわせをしています。各国ともできるだけ同じように発明やブランドを保護しましょうという、いくつもの条約があります。
 知的財産権の保護を目的とした国際条約は、世界の主要国を含む大多数の国が批准しています。自国で特許や商標の出願をしたら、世界中で同じ日に出願をしたのと同様の扱いをしましょうという国際出願のための条約もあります。
 どの国でも、特許や商標については、早い者勝ちの制度を採用しています。
まっ先に特許庁に手続きした者だけが登録を受けられるという制度です。
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 しかし、権利取得を望む世界中の国の特許庁に同時に書類を届けることなどできません。
 だから、まず、本国(例えば日本)の特許庁に出願をして、その後一定期間内に中国や米国やドイツに出願をします。全く同じ内容の出願なら、日本出願日に提出したものとして扱ってもらえます。
 発明やブランドを保護するために、多数の国が毎年集まってこうした条約の見直しをしています。著作権についても同様の国際条約があります。
 一方、TPPは、太平洋を取り巻く何カ国かだけの相互条約です。この関係国に限って著作権を強力に保護しようとわけです。既存の国際条約では満足できないという国がこの提案をしているわけですね。
 例えば、TPPでは、著作権の侵害を非親告罪にしようとしています。
 親告罪というのは、被害者が告訴しないと警察がとりあげない罪のことをいいます。非親告罪になれば、著作権侵害をしている者を警察が見付ければ、無条件に取り締まりができます。著作権侵害が横行している国では、政府がしっかり取り締まりをしてほしいという意図ですね。すんなりと話し合いがまとまるか注目しましょう。